最後の会話

引越し業者に運び出されるソファーを眺めながら、ふたり。
目線は合わせない。
私はこの半年間、ずっと心に留めていた思いを零した。

「あのさ」
「なに?」
「……座って用を足す子やろ、自分」
「……うん。バレとったか」
「だって、便器が上がっとるの気付かず座ってお尻がはまっちゃって『モー!』っていう
お約束のあれ、一度も無かったもの!」

それが、ルームシェアメイト、ウエモとの最後の会話。(ほぼまま)