母と彼

週末は彼氏が母のお見舞いに来てくれたので、だいたい彼氏と病室で踊ってた。
私と彼とで「いちごおいしいね」の踊りと「痛くなくなったね」の踊りを披露した。
母、大喜び。

彼が母に会いに来るのはお正月以来。
痩せこけ、骨と皮だけになり、会話もままならなくなった姿にはショックを受けた様子
だったけど、うちのお母さんとハグして、「おかあさん大好きです」と伝えてた。

病室を出た後、彼が泣いてたから私も一緒に泣いた。
……もう、彼とお母さんが会うの、これが最期になるかもしれないなと思った。

病室はちょいと時間を持て余す。
いつも私一人ならずーっと病院で母の相手をするのだけど、母も気を使って
「○○くん暇やろ。せっかく二人できたんやし散歩でもしてき」
と、まともに喋れない口で言うので、病院を抜けて小学生の頃に私が遊んだ
千種川の河川敷や緑地公園をぶらぶらした。

最終的に私と彼は「回転させると一番強い漢字はどれか」談議に花を咲かせてた。
切れ味だけならやはり「一」か「十」が強いだろうけれども、耐久性も考慮すると
「田」とか「囲」の方が強いのでは、だとか。
こういう、人の幸も不幸も関わらないどうでもいい話が今の私にはおかゆのように優しい。