いつだったかなあ、喜志の彼の家でのことだから、2年とか3年前になるのかなあ。
ご飯食べながらバラエティ番組を見ていたら、紳助が
「世界の終わりの日に何を食べたいか」という話を共演者たちに振っていてね。
私が、「うちは断然お母さんの作った渡り蟹のスパゲティだなあ。
お母さん、娘の頃イタ飯屋でバイトしてた人だから、パスタめちゃうまいんよ」と話したら、
彼は「てるこさんの作ったオムライスがいい」と言うのよ。
「そんなんでいいの。なんかもっとあるでしょう。お母さんもお料理上手やん。
こないだおばちゃんがこっち来たとき作って置いてった煮物、おいしかったよ?」
そう言ったんだけど
「うーん、でもてるこさんのオムライスが良いなあ」
ごく普通のテンションでぼんやりと言ってのけるものだから、
この人おべっかじゃなくマジだわ、と思って恥ずかしくなった。
彼はそんな会話をしたこと覚えてなかろうけど、それ以来、
彼がちょっとお疲れだったりしてねぎらうときは「オムライスしようか!」と、声かけてたんだ。
今はもうそういう関係ではないのだなあと思ったら、悲しくなっちゃった。
そのうちちゃんと思い出になるのかしらね。
今はこうして一緒に暮らしているけれど、いつまで続けられるだろう。
わからんけど、いつか心がクリアになる日が来たら、そのときはオムライスを作ろうと思います。
あんまり長いこと作っとらんもんで、作れなくなってたりしてな……!