痔の日帰り手術を受けてきたの巻

アイムホーム!!
一泊二日入院の予定でしたが結局日帰りで退院しました。
手術……。辛かったよ手術……。

全身麻酔、レーザーで焼き切り。出血も少なく、身体に負担も少なく、
日帰り可能な内容でお願いしたのですが、やっぱり身体の一部を切るって
大変なことなんだなあと思いました。

のちのち自分が振り返れるように、そして痔の日帰り手術を検討する
どこかの誰かの参考になるかもしれない?ので、まともに
書き綴れるかわからないけど、日記を残そうと思います。

午前9時、病院到着。
まず、看護婦さんに「付き添いの方は?」と確認される。
「いないんです。」つらい。

病室に案内され、10時の手術に向けて手術着を渡される。
アクセサリーを外して、服も着替えて、看護婦さんに声をかけると「あらら?」と言われる。
私も「あらら?」と思ったら、どうも手術着が前後ろ逆らしい。着直す。
のっけからもうダメだこの29歳児。

10時前。
手術室までトコトコ歩いて行って、手術台にヨイショっと登った。
自力なんだね。そしてまずは全身麻酔の点滴。

生前、がん骨転移の激痛で苦しむ母が
「全身麻酔めっちゃいいよ! ほんとわけわかんない。気付いたら寝てる。
もし自分が安楽死できるんやったら全身麻酔かけてもらってサッとお願いしたい」
と言っていたので、全身麻酔、ちょっと楽しみだったんだ。
お医者さんからしたら妙にテンションの高い患者と映ったかもしれない。

麻酔液が血管をツツツッと通ると、追ってピキピキと腕が凍ってゆくような感覚があった。
「わー、腕ぴきぴきする!」と、はしゃいでいたら若いお医者さんは
「そうなんよ。ちょっと違和感あるよね、ごめんね」と言った。

お医者さんと声を合わせて1,2,3,4,5と数えたのは覚えてるけど
そこから先はもう記憶が無い。

「つしまさーんつしまさーん」と呼ぶ声でパッと目を開けた。
若いお医者さんの声だった。

「付き添いのご家族の方はお部屋でお待ちですかー?」と尋ねるので
「家族は~~母がこないだ逝去して~、父は遠方で自営業で~、わたしは痔で病院……」
みたいなことを言った気がするけど朦朧としていたから答えになってなかったかも。

主治医の先生が「この子1泊2日や」と言って、若いお医者さんが「ああ……」と、
申し訳無さそうな素振りだった、というくだりだけ記憶に残ってる。
フワフワした頭の中で「あら悪いこと言ったかな」と思った。

天井が動いてるし背中に振動を感じるな~と薄ぼんやり考えていたら、
「つしまさん、手術済みましたからね」とのこと。
えっ、マジで!!
私の感覚としては手術台で麻酔打ってる時の談笑の延長だったんだけど
よくよく確かめたら本当だ、私はカートで廊下を運ばれていた。

「降りられますか?」と言われて、たぶん自力でカートを降りて
ベッドに入ったんだと思うけど、そこらへんも記憶が曖昧で、スヤリと入眠してた。

「つしまさんつしまさん! ご飯、きたよー! ご飯だヨー!」
看護婦さんのおっきな声で起きる。

……ていうか尻!!!!! あかんやつや!! 激痛!!!!!
麻酔切れた!!!!!!!

「えっ、うあう、うあう。。。」
小田和正ばりに言葉に出来ない。

「痛いな、痛いな。ご飯食べたら鎮痛薬な」
看護婦さんがピラフを置いて、ササッと捌けていった。

「うあう……oh…….」

わたし、昔、薬局に務めてたから、鎮痛剤がどんだけ胃を荒らすか知ってる。
なんとしてでもピラフを食べねばならぬ。

……ほんっとうに、尻、と言うか、内臓。そう、内蔵ですね。
下腹部の内蔵に「アッ、切ったり焼いたりしたんだろうな」という
生理痛に近いような、でももっと鋭いような鈍いような痛みが
スンドコスンドコ熱いビート刻んでるんですよ。ヤバイ。

座ってても寝てても立っててもとにかく辛くて、
中腰で涙流しながら産卵するウミガメみたいな気持ちでピラフ食った。
すっごくゆっくりしか食べられなくて、気付いたら午後1時だった。

鎮痛剤を飲んでも、すぐに効くわけじゃない。
半泣きで病院のフロアを、右往左往……。

「津島さん~? あっ、おった! 津島さん大丈夫??」

右往左往し過ぎて部屋に居ないから看護婦さんに探されてた。
ごめんなさい。部屋に戻ります……。

「全然痛くないのを1、耐えられない痛みが10だったらどのくらい?」

「はち、きゅ、9?? ボルタレン(最強鎮痛剤)は、小一時間前に飲みました……」

「痛いなあ。痛いなあ。」
看護婦さんが腰をさすってくれる。だよなーこれ以上薬盛れないわな。
いま体重が40しかないんだよ。

「あの、心細さが、痛みを助長してるかも、しれないと思うんですが、
大丈夫大丈夫、痛くないと言い聞かせても、駄目で。
たとえば誰か連絡して、病院に迎えに来てくれたら、日帰りに変更できますか?」

「うん。うん。ちょっと先生に言ってくるわな」

看護婦さんが先生に確認してくれた。
後は薬の処方だけだから、付き添いがいれば日帰りしてもいいとのこと。

午後3時。
彼に電話をかけたら、幸いにも今日の仕事は夕方5時位に終わりそうとのことだった。
「仕事が終わったら直接病院に迎えに行くよ。あと、明日仕事休みになったよ」
それを聞いたら少し、痛みが楽になった気がした。

……気がしただけでやっぱっ超痛くて、院内またウロウロしたけど。
ウロウロついでに先生や看護婦さんに「お世話になりました」と挨拶した。
6時頃、にこやかに、そして颯爽と現れた彼に手を引かれ、退院。

食事の制限等は何もなし。
お酒は血行がよくなりすぎたり、処方薬に悪く作用するかもしれないから1週間お預け。
治りを良くするチューブの薬と、鎮痛剤と、どうしても痛い時のボルタレンが処方された。
出血はほとんどないです。一応、生理用品つけてるけど、なくても平気かも。
1週間後、2週間後、1か月後に通院で経過観察。なんともなければ終了。
あっさりしたもんだなー。

そうそう、家に帰ってきたら痛みがましになったよ!! いま余裕で動けるもん。

「明日久々に二人とも休みだし桜も咲いてるから、身体さえ大丈夫そうだったら、
万博公園にでも行ってみようか」
と、彼。

鬼やな、この方、痔を軽く見てやがる……。

「うん、行こう行こう!」

そんなわけで明日はお花見デートです。