いたいのいたいのつかまえた(フォーカシングで痛みを軽減する)

我が家では娘が転けたりぶつけたりしたときに「痛いの痛いの捕まえた」方式を採用している。

今日、娘ではなく私がテーブルで足の痛点を打ってしまい、無言で悶絶していたら、夫が速やかに「痛いの痛いの捕まえた」をして、ヌスレット塩振り(トルコのステーキハウスの店主です。ねっとりと肉を調理する)で葬ってくれた。痛みは消えた。

娘相手の時は、「痛いの痛いの捕まえた」のあと、ちょうちょになってヒラヒラ飛んでったり、ギュッギュと握っておにぎりにして食べたり、あるいは蟹になって横歩きで逃げていったりする。
これ、簡易的なフォーカシング(心理療法)なので、本当に効果があるんだよ。
「いたいのいたいのとんでいけ」もいいんだけど、子どもといっしょに取り組めるので、「今日はどうしようか」と本人のリクエストを聞いて消化できるのがいい。

正直、心理療法の講座で初めてフォーカシングという手法を知り、授業で実践した時はアタシャなにやってんだ感がすごかった。
身体の中にある特定の感覚に目を向けて、どんな色か、どんな形か、どのくらい重いのか、ディティールを与え、「あなたはどうしてわたしの中にいるの?」と問いかけるのが正規のやり方なんだけど、完全な一人相撲に思えてしょうがなくて。

でも、生きていると、言葉にならない痛みや形にならない思いってたくさんある。
大人だってそうなんだから、語彙を持たない子どもならなおのこと。
フォーカシングにはそういう感覚的なものを、そのまま扱える良さがあるから、成長の段階に合わせて上手に取り入れてゆきたいな。