実家の庭 春

母方の祖母が亡くなった。葬儀のため実家に帰ってきている。

1月の末、母の命日で帰省した折り、祖母の家を尋ねた。
「ほんまに来たか。昨日、輝子の夢を見たんや」と、祖母は言った。

祖母はなにせ7人も子を設けているし、私のいとこは総勢20人もいるので、誰かと間違えているのかもしれないなと思いながら「ほんまにか~!」と話を流した。
あれが最後になった。もしかしたら夢の話、本当だったのかもしれないな。

「ほなまたね、おばあちゃん。生きとけよ~~~」
「いや、わからんわ。数年前に死にかけとるし。おまけの人生や。こればっかりはな」
と言葉を交わしてお別れするのが近年の祖母と私の定番だった。

生きとけよ、と言いながら、いつも私は、「これが最後かもしれない。でもいいお別れの仕方が出来た」と思っていた。

清々しく、煙に登る祖母を見送る。

とうに亡くなったおじいちゃん。
若死にした長男。次女にあたる私のお母さん。犬のレオ。
よく井戸端会議していた近所のおばちゃん。
なんだかんだで祖母はそこそこ長生きしたから、天国で久方ぶりに会う人も多いだろう。

私たちだっていつかはそちらへ引っ越す。
その時まで。ほなまたね。おばあちゃん。

 

実家の庭。母が植えたスモモの木が満開でした。

梅は終わり。小さな梅の実がついてた。
コデマリがこれから咲きそう。

佐藤錦とブラックベリーは、まだつぼみ。
4月の終わりから5月かな。実ってもだいたい鳥さんが持ってっちゃうんだけどね。

今では父が庭の世話をしている。