家庭内二次感染を防げ!乳幼児を抱えながら嘔吐下痢症(ノロウイルスなど)と戦う

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子どもが嘔吐下痢症に罹っている間にtwitterでタイムリーにも@halproject00さんのノロウイルス等の嘔吐下痢症〜消毒と消毒液の作り方〜という記事がリツイートで回ってきました。

家庭内二次感染予防に大変役立てさせていただいたのですが、@halproject00さんご本人も追ってtweetしておられたように、家庭内で幼児の嘔吐下痢症に対応しようと思っても限界があります。

幼児は予告なくゲリオートし、親に泣きすがりつき、おむつを変えようとしては逃げていく生き物。
そして人員的にも設備的にも、医療機関のような配備は残念ながら無理です。

そこで私なりに対応の最適化を図り、1週間の経験をまとめたものが本記事及び冒頭のイラストになります。

子どもが病気にかかって仕事を何日も休むと、自分が社会的に死んでないか不安になりますよね……。
不安にならなくてもいい世の中になればいいけれど、今のところ時代はそうじゃないし、そうなっても感情の関わりは0にならないのだから「わるいなあ」と思っちゃうもんじゃないかな。

家族への感染リスクを減らし、事態をできるだけ早く収束させ生き延びるためにお役に立てれば幸いです……。

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1歳6ヶ月児、嘔吐下痢症の症状と日ごとの推移

12月半ば、1歳6ヶ月の娘のテクニカが嘔吐下痢症にかかりました。
午前0時に大量の嘔吐。
吐いたのは1回きりでしたが、その後深夜2時から下痢が始まり、4時、6時(起床時)におむつを変えました。

熱は38度。
いつもの風邪ほどしんどくはなさそう。
ただ、お腹が痛むと泣きだしました。

夜中の下痢により1日目朝の時点でお尻が真っ赤。
腸液はアルカリ性なので下痢ってすっごく肌に悪いんですよね……。
布団シーツ、布団、服、タオルなどが汚染され、家はわやくちゃ。
地獄の朝を迎え、1日目は寝不足のなか、ひたすら洗濯とおむつ替えに追われました。

幸か不幸か、下痢が出ると尻が痛んで子が「ピギャー!!」と激しく声を上げるので、すぐにおむつを変えることができました。
下痢の頻度は最短で15分。長くて2時間。2日目も同じペース。

下痢は柔らかいので背中から太ももからすぐ漏れ出します。
そのたびに子の服も親の服も汚れてしまい埒が明かないので2日目からおむつの重ね履きを導入。
ウン漏れない率が格段に上がりました。(それでも漏れるときは漏れる)

3日目からは、下痢の頻度が最短で15分、長いと3時間くらいに伸びてきました。
看病は楽になったけれどこの辺になると寝不足によるダメージが蓄積してきます。

親はできるだけ体力を温存すべきだった。
なんなら初日からご飯はもう見切ってお弁当買ってくればよかったと思います。
この状況での自炊より感染リスク低いし。

4日目、夜中の下痢がなくなりました。
ただし日中は最短で15分、長く持って3時間の下痢と相変わらず……。

5日目も同様の状態で、6日目にようやく下痢の頻度が4~5時間ごとになりました。
本人の食欲も戻り、熱も平熱に。

7日目、お腹がからっぽになったのか便が全く出ず、8日目にようやく通常通りの形をした便が出るようになりました。

嘔吐下痢症とは?

嘔吐下痢を伴う胃腸炎の総称です。
夏に流行るのは細菌性、冬に流行るのはウイルス性であることが多いそうです。
しかし、病院では原因となる菌やウイルスまでは特定しないことがほとんどです。
特定したところで対処は変わらず、「下痢嘔吐を止めない」「脱水症状に気をつける」の2点に留意し、菌・ウイルスを排出しきって体力が回復するのを待つしかないからです。

冬に流行る嘔吐下痢症の原因ウイルスの中でも、ノロウイルスは感染力が強く、厄介です。

乾燥すると空気に舞う。
ウイルス10~100個で感染完了。
アルコールでは死なない。
冷凍で死なない。
熱にもそこそこ強い。
いったいどういうことなの……。

しかし、病院でウイルスの特定をしない以上、冬の嘔吐下痢症はノロだと想定し対処に当たるのが大事だと思います。

厚生労働省ノロに関するQ&A をまずは読もうぜ。

ノロウイルスの弱点

手洗い(2度洗い)

厚生労働省 手洗いの時間・回数による効果.pdf これも読もうぜ。

ノロは経口感染がほとんどで、手指についたウイルスを減らすことが一番有効な対策だと言われています。
手洗いを2回繰り返すことで、ウイルスの数を劇的に減らせます。

しかしながら幼児の下痢の頻度は最短15分です。1日にどんだけ手を洗うねんという話になります。
毎度清潔なタオルを使っていたら、フル稼働の洗濯機が更に悲鳴を上げることになります。
キッチンペーパーで手を拭いて、その都度捨てるんだ!

そしてハンドクリームは使ったほうがいいぞ!!
洗剤石鹸水次亜塩素酸消毒液さわりまくって手がカピカピになるからな!!
尿素配合は沁みるからだめだ!

余計なものが入っておらず純粋に肌をガードしてくれるワセリン(約400円)などが良いでしょう。

……私は日頃から顔にも手肌にも使用しているロコベースリペアで対応しました。
これ、美容師さんが手荒れ防止に使ったりしてるんですよ。
うちの夫が学生時代アトピーでひどい状態の時もこのクリームで落ち着きました。
薬局の仕事を辞めて10年以上経ちますが、未だにガチで使っている商品です。
化粧水のあと顔に塗ると肌が乾燥せず弾力が保たれ縮緬皺ができません。おっと、話が横道に逸れた。

 

次亜塩素酸消毒液

ノロウイルスはアルコールでは死滅しませんが、次亜塩素酸消毒液が有効です。
薬局やスーパーで手に入るハイター、キッチンハイター、ブリーチが次亜塩素酸を含む塩素系漂白剤です。

なお、衣料用漂白剤のワイドハイターは過酸化水素なので当てはまりません。

汚物処理や汚物の付いた床の消毒には1000ppm
ドアノブや便座、手すり、床全体の消毒、衣類の消毒には200ppmの希釈が適しています。

花王のハイターなら500mlの水に対しキャップ1杯のハイターで1000ppmです。
水2.5リットルにキャップ1杯のハイターで200ppm。

花王 次亜塩素酸ナトリウムを含む花王の塩素系漂白剤について教えて

我が家では2種類の希釈液を用意しておれず、1000ppmの次亜塩素酸消毒液を含ませた布でドアノブやトイレなども拭きました。
フローリングや家具が痛むおそれがありますし、子どもが舐めると大変ですので、重ねて水拭きしましょう。

そうそう、衣料用ワイドハイターはダメということで、嘔吐下痢症1日目にセオリー通り衣類を200ppmの希釈液に浸けて消毒したんですけどね……。
おいおいおいめっちゃ色が落ちるがな!!!
子供の黒のズボンを着けたらみるみるうちに希釈液が真っ黒になりました。
まずもう、期間中は親も子も大事な服は着ないに限ります……。
そしてもしも色柄ものに吐瀉物や便がついてしまったら、水、石鹸洗いでよく落とし、可能なら煮洗い、それが厳しいようならレンジでチンか、アイロンで熱を加える方法をすすめます。

熱消毒

ノロウイルスは85度以上90秒の加熱で不活性化します。

子どもが嘔吐下痢症の間は念のためサラダやお刺身などの生食は避け、火を通したご飯を食べましょう。

前述の通り、200ppmの次亜塩素酸消毒液で服の色落ちがあったため、我が家では2日目からウン漏れ被害にあった衣類は電子レンジで加熱消毒するようになりました。
熱ムラができやすいので長めのチンが良いです。

本当は衣類も煮沸消毒できれば良いのでしょうが、下痢の対応でてんてこまいだったため火を使うことは避けました。

これだけ対応しても感染するときは感染する

テクニカの嘔吐下痢症が落ち着いてきた5日目、母親である私の嘔吐が始まりました。
夕飯の秋刀魚の塩焼きとご飯を食べている途中でお腹の違和感と全身の倦怠感を感じ、中断。

横になって過ごしていましたが夜10時頃に全部もどしてしまいました。
急な発熱で悪寒がひどかったです。
38.5度としっかり熱が上がり、その後38度の熱が2日間続きました。

大人の嘔吐は丸一日、下痢は2日で止まりました。
幸いにも娘の症状が日中の下痢のみと収束しつつあり、小児科、保育所から登園許可が下りていたためひとりで安静に過ごせる時間が取れ、回復が早かったのかもしれません。

まあしかし……ほんましんどいです。嘔吐下痢症。
子どもの病気が家族に感染って自宅が野戦病院化するのは子持ち家庭あるあるだといいますし、対処をしても避けきれないものだと考えたほうがいいのでしょうが、年末年始は仕事やお付き合いで立て込む時期ですので、家庭内であっても可能な限りの対応を、できるだけ簡略化して実施して、どうにか生き延びましょう……。

なお、休みなく仕事をしていてほとんど家にいない夫は嘔吐下痢症にかからず逃げ切りました。
いいんだか悪いんだかナ。