閉塞感の中、のびしろを探す

夫の休みがない。
11月は3回、くらいはあったのか。

日祝休みと言うが現場があればお構いなし。
12月に至っては全ての日曜に現場が入っていて、いつ休めるかわからないらしい。

それでいて年末年始は、「親戚も集まるから1泊ではなく2泊はしていってほしい」と義実家から希望されている。きつい。
義実家や親戚のみなさんはよくしてくださるし、仲良くしたいと思う。
でも、やっぱり「とても仲良しな仕事の上司のお家に行く」みたいな感覚で、心身が満たされていないときに長時間顔を合わせるのはしんどい。

夫の休みの無さが待遇に反映されるのならまだ良いのだが、2年3年と勤め、新たに技術を身につけ、資格を取っても一切のペースアップはないところをみるとこの先も期待できなさそう。

夫は基本的にタフな人ではあるが、休みなく仕事が立て込むとさすがに滅入るらしい。
「娘の起きている顔も見られないし、休みはないし、頑張った分が給料に反映されるなら家族を支えているんだからと思えるけど、それもないから何のために働いているのかわからへん」
と、ポツリ漏らしていた。

入社当初、勤続十年ほどの先輩が夫に「うちの会社は給与が上がらないよ」と言ったそうだ。
夫のモチベーションが下がってはいけないのでその時は言わなかったが、話を聞いた私は、「あっ、先輩は逃げるなら若いうちに逃げた方がいいよと警告してるんだ」と思った。

その話を、最近夫にした。

それから、
「家族のために休みなくたくさん働いてくれてありがとう。よく頑張ってくれてるよ。休ませてあげたい。あなたの能力をもっと良い待遇で買ってくれるところが他にあると思う。年齢やキャリアを考えると、動きやすいのは今だよ」
と伝えた。
夫はいま転職活動をしている。

……が、ゆっくりさんだからな~。

なにせ学生時代、「就職活動した方がいいよ。のちのちの自分が困るよ。色んな会社の偉い人の話を聞きに行けるのは今だけだよ。ためになるし楽しいよ」とさんざ尻を叩いて、重い腰を上げた末に登録したリクナビはもう3回生(次の世代用)だったという逸話のある人だ。

いつになるだろう。
夫が休める日は。
家族でまとまった時間を過ごせる日は。
夫に娘をお願いして私が土日に仕事を入れられる日は。

……本当は12月の土日のどこかでタロットのワークショップをやりたいと思ってたんだけどな〜。

占い・カウンセリングの仕事はやはり土日の需要が高く、どうしたもんかなと思っている。

週末ふいにお客さんから電話をもらうことがある。
ネットからの予約ではなく電話が飛んでくるときは、切羽詰っていることが多い。

時折、子どもを片手に抱えたまま、「占いはできないけど少しは話を聞きますよ。どうしたの?」と、話を聞いたりしている。

もうだいぶん前のことだけど、そうやって電話の向こうの名前もわからない誰かのお話を聞いていて、「この方が落ち着くまで、もう少しだけ、もう少しだけ」とやっていたら、風邪ひきの娘を土曜午前しか開いていない耳鼻科に連れて行き損ねた日があった。

相手が悪いんじゃない。
予定があることや、15分だけ、などリミットの明言をせず話を聞き始めてしまったわたしがいけなかった。
あれは『“誰かのために”は、余力の範囲で』を超えてしまう典型的なパターンだった。

余力。そう。余裕が無いんだよな~。

クライエントの希望には答えられないし、娘の鼻はグズグズだし、夫は帰ってこないし、夫居なかったら私は夜や土日に仕事こなせないし、お金はないし、時間もないし。

どうにかのびしろを探さなくては。限られたリソースの最大化を図らなくては。
そうして考えた結果、家事や平日の仕事の合間を縫って、占いやカウンセリングでいつも話しているような内容をブログに書くことにした。

クライエントと時間が折り合わず依頼を引き受けられないなら、タロットの扱い方や心の扱い方についてネットに書いたものを読んでもらおうと思って。

直接対話するほどのパワフルな効果は得られないかもしれないけど、困っていたり混乱している人の心を落ち着かせるのに一役買えるのではないか。
すぐ話を聞いてほしいと連絡をくれた相手の期待を敢え無く裏切ることになっても「このページを読んで」と案内できたら随分とましなのではないか。

費やした時間や知識や労力が少しでも対価に反映されたらと、Googleアドセンスやアフィリエイトサービスの申請もしてみた。
良いものを紹介して、誰かの役に立って、物が売れて、マージンがあるって、ありがとうの連鎖であって誰も損しないし。

こっちのブログでも、生活の上で本当に役立ったものは積極的に発信してゆきたいと思ってる。

というのも、やってみてわかったけど子育てって友達とタイミングが合うものでもないし、同じ保育所のお母さんならざっくばらんになんでも話せるのかといったらそういうものでもない。
そもそもみんないっぱいいっぱいで、お互いに深く関わる余地が無いんだ。
子供は可愛いし子育ては楽しいけど、成長のその都度わからないことだらけで、誰かの持ってる答えが自分たちにとっての最適解とも限らず、とにかく常に常に、めちゃくちゃ孤独である……。

私も子供との生活で困ったことがあるとネットを頼りにしているんだけど、自分が持っている情報だって誰かにフィットするかもしれない。
ただでさえ子育て周りの情報は三年経てばもう古いというから、新しい人がどんどん新しい情報を発信する必要がある分野だとも思う。やってみよう。

なんかなあ。
いつか死ぬ自分の墓標と思ってよその無料ブログ使わずにたらたらと続けてたここがこういう形で転機を迎えるとはなあ。

(私がレンタルサーバーを使っているのは、死んでから幾年かは残って、それから消えて欲しい、と思っているのと、あと無料ブログの広告は自分で制御できないから嫌いという二点が理由。早速Googleアドセンスを使ってみたんだけど、これは自分で広告の挿入場所を制御できるし、不快な広告はブロックできるしなかなか良い。なお、スマートフォンでネットを見るときによく出てくる酷い内容の漫画の広告はうちのブログでは現れないように早速ブロックした)

うーん、自分にもやれることが見つかると、少し血の通った心地がする。
閉塞感を打破し、豊かさの種を蒔き、自分もまた豊かになりたい。