保育士の先生

傾聴における伝え返しのテクで、被害者的な口調を客観的事実に置き換える、というものがある。

例えば、「わたし浮気“された”んです」を「なるほど。“彼が” “浮気をした”んですね」と伝え返しすると、感情と事実がごちゃまぜの状態だった当事者が、少し冷静さを取り戻せる、といった寸法だ。

保育所の連絡帳の先生のお返事を見ているとナチュラルにこれが使われていることがあって感心する。

私「休日は朝昼晩とすべて味噌汁をぶちまけられましてな……。洗濯機が大忙しでした。」
先生「テクニカちゃんは朝昼晩とお味噌汁をひっくり返したんですね!元気いっぱいですね!保育所ではちゃんと食べているのですが、お家だとお母さんに甘えちゃうのかな?」

保育士さんは子どもの保育のみならず、こうして経験値の低い我々親のサポートまできめ細やかにしてくれているんだよな。本当に大変なお仕事だ。
保育士の先生方のお給与、上がってほしいなあ。わたしには何ができるんだろう。無力さがキツい。

我が家の保育料はこの9月からガクンと下がった。ぶっちゃけ、これまでの半額になってしまった。
出産ギリギリまで共働きだったのが、出産以後は夫の収入をメインに生活するようになったこと、出産絡みで医療費控除を受けたことから、昨年は税の還付を受けた。それがこの9月から反映されたんだ。

ヤッター!などと気楽に喜べなかった。
いや、確かに家計には全く余裕が無いのでありがたいんだけど、それよりも、この乳幼児とかいうハイパー手のかかる生命体をひとり預けて、とうてい許される金額じゃない、と申し訳なさが先に立った。

本当は、仕事のことだっていっぱい考えたい。誰かの役に立っていると実感を持って働きたい。役に立った分「ありがとう」って対価を得て、家族の暮らしを豊かにしたいし、まともに納税して誰かの助けに使ってほしいよ……。

だけど現実は乳幼児一名と大人二名の生活を維持することでせいいっぱいだ。
私には相談業の他にサブの仕事があるので事業の現状維持はなんとかなっているが(気楽な仕事と思われる節があるけど真面目にやってるとそこそこ経費がかかるんだ)、子育ての傍ら今後の仕事の展開について考えるなんて、なにをどうすれば可能になるのか見当がつかない。

「今はしょうがない!しょうがないよ! 目の前のやるべきことをやろう」と、Twitterで自営業2児を持つ先輩ママさんが声をかけてくれた。そうなんだよなあ。浮かない顔をしたってしょうがない。今は、子どもと家族のことを頑張る時だ。

いま、みんなが納めてくれた税の恩恵を受け社会に支えられているということを忘れず、もうすこし余裕ができたら(いつになるんだろうかと考えると苦しい)、たくさん恩返ししたい。

自分たちのことで精一杯ですみません。そしてありがとう。社会。みんな。