一人がいやだったから友達の家にいた

時折、母は私に「あんたは家族よりも友達が第一やもんな」と嫌味を言った。

家族が一番であってほしい気持ちは分かるから特に返事はしなかったけれど、
やっぱり順当に行って親は先にこの世を去るものだし、兄弟だから必ず上手くやれるというわけでもないだろう、という意見は十代の頃から変わらない。

兄弟に何かあったらもちろん助けたいけど、いつでもつるんでいたいだとか、なにしてるか気がかりだとか、何でも話して共有したい、とは、思わないなあ。わたしの場合は。

むしろ家族というのは途中でやめられない一生ものの関係性だからこそ、礼儀を弁え甘えを出さず、慎重に接する必要があると思う。
家族間ではこのコントロールが本当に難しい。
簡単に相手を傷つけたり、負担をかけたりしてしまう。

「大丈夫?」と手を差し伸べあうには、ある程度の距離が必要なんだよ。
「あなたの気持ちも分かるけど、私はこう思う」と違う視点を与えてくれるのは、違う文化(家族・環境)で育ってきた人なんだよ。
同じ時代を生きるのは親ではなくて友達なんだよ。
私は友達を大事にしていて良かったと感じる瞬間が沢山あるよ。