もっともっと遠くへ

彼が留年と同時に始めた非正規雇用の仕事。
朝は早いし拘束時間は長いし当初は本人もしんどそうだったけれど
年数を重ねるごとに出来る仕事も増え、後輩の教育を任され、
やり甲斐を感じているようだったから、あまり口を挟まず今日日まで来た。
でも彼も30歳前だ。「考えなきゃだめよ。困るのは自分よ」と訴え、
いつものことながら腰は重かったが6月にようやく退職、転職活動を始めた。

私もフリーランスに移行して間もなく、時間があるから、
これまであまり休みが合わなかった分、ゆっくり日にちを取って、遠くに出かけることにした。

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人生夏休み。
思う存分に寝て、揃って朝食を食べ、「さて、今日は何をしようか」と微笑み合う。
すごく幸せで特別な時間だなあ。
大学生時代の長期休暇は、二人、こんな感じで過ごしていたっけな。

もちろんずっと続くわけじゃないこともわかってる。
仕事を変えればそれなりのストレスがあり、5年前のあの時みたいに、
余裕がなくなって爆発しそうになったりすることも、あるかも知れない。
でもこれは神様が、「5年前のやり直しをしなさい。今の二人なら乗り越えられるから」と
与えてくれたチャンスのような気もするんだ。

互いを尊重し、余裕の範疇で支え、私は私らしく、彼は彼らしく、歩く。
遠い未来へ、歩いてく。きっと手を繋いで。

 

(……そうそう、これを書いていて思い出したことがひとつ。
同棲を初めてすぐの頃、彼が「夢にてるこさんが出てきた」と言ったことがあった。
「夢の中の私どうしてた?」と尋ねたら「二人で切符を買って電車に乗った」と言ったんだよ。
夢占いで電車に乗るのは出発や門出を示すからビックリしたの。本当だよ!)