ベッドの中

母の容態を見ているとこの大阪と地元の往復生活ももう長くは続かないな、と感じる。
黄疸も腹水も酷い。
骨転移の痛みを緩和する麻薬は、お医者様の指導のもと投与しているから安全なのだけど
それでも幻覚を見ていたり朦朧としていたり、話のつじつまが合わないことがしょっちゅうだ。

おとといは、普通の会話をしていたはずなのに、母が突然
「それで、その子達は自分で餌食べれるん?」と笑顔で訊いてきた。
薬のせいだ、まあ適当に合わせとけと思って「うん、食べれるで!」 と答えたら、
「なに食べるん」 と、母。
「(えっ、どうしよ)……食べるのは……キャラメル……」 と言ったら母が急に正気に戻って
「いやキャラメルは食べへんやろ!」 とツッコミを食らった。理不尽だ。

大阪のベッドに横たわると、安心する。
実家のベッドよりもよく眠れることに最近気付いてしまった。
私の家は、すっかりここだ。
母を亡くしたら、もっとそうなってゆくんだろう。

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