占い師を名乗ることにした

ウィークデイは大阪で仕事をし、週末は地元に帰るというサイクルで生活を続け、
気がつけばまるっと半年経っていました。

2011.1.19(水)の写真は母の入院中に病院から撮影したものです。
世の中的にも個人的にも、なんだか本当にいろんなことがありました。

大きな津波の映像を、大病院の緩和病棟の一室の、小さなテレビで母と見ました。

「こんなことになっちゃうとはねえ。生きてるといろんな事があるねえ」
テレビに映る惨状を悼む母は、肝臓がんステージⅣ。
骨やリンパに転移し、手の施しようがないのだそう。
延命よりもQOL(人間らしい生活)を重視して、痛み・苦痛を取り除くことにポイントを絞った緩和ケアを受けています。

本人の希望が一番ということで極力入院せず自宅で過ごしていますが、
余命がつけられないと言われた割には半年が経ち、
生前整理(あるいはやけぱち)でほとんどの服を捨ててしまった母は、
7月のいまガチで着る服がなくて困っています。

「あれっ?思ったより生きてるじゃん!? イエー!」と、家の中は存外明るいです。
調子の良い時はお庭を耕して、きゅうりやサニーレタスやトマトを作ってるみたい。
先週はまだ6月だというのに早成りのきゅうりが採れたので喜んで一緒に食べました。

ああーと、そうそう。自分の話。
4月ぐらいに私自身の具合が悪くなって病院へ行ったら、無排卵(多のう胞性卵巣)と診断されました。

ちょっと。もう。
B型肝炎で母親と同じルートを辿る可能性が高い上に子孫も残せないだなんて。
(いやお金をかければなんとかなるかもしれないそうですが)

「絶対子どもがほしいってわけじゃないけどいたら楽しいだろう絶対」と、明るい未来を描いていたので賞味な話ショックでしたが、、、それでも私は生きています。

諸々相まって泣く日もありますが、twitterを見てもわかるとおり、笑って生きています。
私は大丈夫。

母がごく普通に過ごしたがっていますし、実家はお店を経営しているので目立ちます。
噂話だけはフレッツ光ばりの速度を見せるこの田舎町で
「〇〇屋の〇〇さん癌で長くないらしいよ」などと知れ渡ったら好ましくないからと、
近頃はなんとなく地元の人付き合いを控えていたのですが、この間、久々に友人らと集まった折に

「ええとねえ。11月に彼氏のおじいちゃんが死んで、
12月にうちのお母さんが末期がんで入院して、
ウチの愛犬のボンボが急死して、
“ペットが厄を受けて代わりに死ぬというのは本当にあるのかもしれないね”
なんて家族で言ってたら今度はウチの父方のおばあちゃんが入院して、
さらに私の具合も悪くなって病院へ行ったら
“自然に子どもができるからだではありません”と言われたのが、先々週かな」
と近況を話したら、

「ちょっと!!だいじょうぶなん!!」とさすがにびっくりされました。

「ねえ。お祓いにでも行くべきかねえ」と神妙に答えたら、

「そうじゃなくて。ボギー(←私のあだ名)は。大丈夫なん?」
と、友人は文節を区切りひとつひとつ強調して丁寧に言ったのでした。

ありがたかった。ありがとう友人たち。
これは自慢していいと思うんだけどほんとうにいいひとばっかりなんだ。
こういう人に囲まれているから、私はどんなときも大丈夫だって言える。

生物の本来の目的は子孫を残すことなのでしょうが、
自身に霊長類ヒト科ヒトとしての価値がないのは受け入れるとしましょう。
だってしょうがないもんね。
代わりに私は人との関わりに価値を見出し生きてゆこうと思います。

自分にできる事をする。求められていることをする。
そう遠くない未来、私が母のようにこの世を去ることになっても、
「ちょっとは社会貢献できた」と誇りを持てたら。

それだけがきっかけじゃないんだけど、前々から考えていたことや積み重ねてきた勉強。
ホンマに偶然なんかなこれ? と疑うような出会いなど、魔法みたいな色々がありまして、
わたくし津島輝子はこのたびきちんと「占い師」と名乗り看板を上げることにしました。

仕事としてやる。真剣にやる。
今後は曖昧にせず自分でちゃんと値段をつけてお金をもらう。
(でも会社を辞めるわけじゃないしそれ以外はなんにも変わらないか)

なんだかんだ、嫌がりながらも高校生の時からずーっとやってきました。
気づいたら十数年経っているのだからおそろしい。
はじめはそれこそ友達や友達の友達や友達の友達の友達を占っていたはずなのに今となっては
全く知らない人がこちらの名前すら知らないままに依頼の電話をかけてきます。
異様な状況だけどこんなことになるのもなにか意味があるんじゃないか。
拒むよりは、受け入れていこう。

「占い師です」ときちんと名乗ることで、もっと利用しやすく、もっとお役に立てるのかな?と、ほんの少し希望を持っています。私も時間やお金の管理できるしね。

いやしかし占い師て。

……びっくりしますよね。私も正直びっくりしました。