倦怠日記

ストレスで耳がおかしくなるこの体質はどうにかならんもんかな。貧弱すぎる。

優しいコメントみんなありがとう。お返事またあとで書くわ。
とりあえず私は大丈夫です。
大丈夫じゃなくなるのを避けるために、この家から逃げるわけだから。

お盆休みが間近でよかった。
12日(火)で仕事納めなので、明日だけ乗り切れば後は実家に帰れる。
その後のことはその時考えようと思う。とりあえず荷物はまとめた。

夜、彼と話した。

耳のことで滅入っってちょっと落ち着きたかったし、しばらく家を離れるつもりなので
見納めのような気分でベランダに出て、南港の方の団地の明かりと月を見てた。
下からミャオミャオと猫の声がしていた。多分子猫。自分も小さな声でミャオミャオ鳴きまねして
子猫と会話をしていたら、飲み物を取りに部屋を出てきた彼に「なにしてるの」と話しかけられた。

「下に子猫がいて」
彼もベランダに出てきて、下を覗きながら、
「そういえば、スーパーの近くにも最近子猫がおってさ」
と言った。

「商店街の串かつ屋のとこにトラ猫おるやん。あの子もおなかが大きいよ。そういう時期なんやね」

沈黙。謝るなら今だと思った。

「色々ごめんね。辛く当たってしまって。きみが留年したことも
ご飯作れないことも、どうってこたなかったのにねえ。
社会的立場とか、スペックとか、そういうのと付き合うんでなくて、
単にその人が好きだから一緒にいるって、そういうもののはずやったのにね。
思い返して、こりゃわたしのこと好きじゃなくなっても当然だ なと思って」

「うん」

「色々間違えたなあ。ごめんね」
「こういうのはまあ、お互い様だよ」

完全に別れ話。

「まめものことなんやけど、キミは少しご飯のやり方が足りないように思うんよ。
脱皮のペースが遅れてる。キミは仕事で忙しいし、私の部屋の方に貰えんかな」
「あ、うん、いいよ。冷凍のえさ、この間補充しておいたから」
「ありがとう。でも今すぐにはいいや。もうしばらくはそっちの部屋にいさせといて」

完全に親権話。

「どうしようねえ、お引越しでもしてみようかなあ、私」
「うーん……」

沈黙。

「今は、俺はちょっと環境を変えたくないなあ。仕事とかで手一杯やし」
「そう」
「俺と離れたい?」

明日からちょっとこの家を離れるつもりだけど、それはまた別口で話そうと思った。
どのくらいの期間になるか、本当に離れるか、まだ理解らんし。取りあえずニコッとしておいた。

「距離置くって話をしてから2週間経ったけどどうかね。キミ、結論は出たかね」
「うーん……」
結論が出てればこの会話でお別れしても良いかと思っていたんだけど、まだそうではないようだ。

「そろそろ結論出さんといかんなとは思ってるんやけどねえ」
「こうしてる私とおしゃべりしてる時間も嫌いじゃないかあ」
「そうなんだよなあああ」

「ならいいよ。急かない。まあうちら、どっから付き合いだしたんかわからん感じやったし。
その時々の感情に身を任せるのが自然なのかもしれない。
またふと、キミが私を好きになるかもしれんし、私も、イライラしたりするんじゃなくて、
ちゃんと本当に大好きだと思って関われるようになるかもしれんし」
「あるかなあ」

ないんかい。

「先のことはわからないけど、会社の渡部さんがさ、3年弱でこうなってるって言ったら、
それ第一次倦怠期だから過ぎればまた仲良くなれるよ、やってさ」
「そういうもんかなあ。誰でも、こういうことがあるんだろうか」

「きみはこのところ、ほんと異常なテンションで私を愛してくれてたけども、
あの状態がずっと続くということは、、、まあないと思う」
「うん。自分でも思う」

「わたしたち落ち着いただけなのかもね? よくわからんわ」
「うん」

「よくわからんから身の回りを見直したいけど、距離置くったって
同じ家にいちゃ意味ないよね。離れたらまた見えてくるものもあるのかも知れんけどさ」

「それは俺も思う。でも、引っ越して離れたら、もうそれきりになる可能性だってあるよ」

「……相性はいいと思うんやけどなあ、うちら」
「それも思う」

すっかり沈黙してしまった。
彼は私が洗濯や料理をしながら鼻歌を歌っているのが好きだと言っていたのを
思い出したのでSomewhere out thereを歌った。
遠く離れた恋人が同じ星空の下に居ることを心の慰めにする曲だけど、
そんなことは彼は知らんだろうし、永遠に知らんで良い。

ものすごく平行線。
私には彼がどうしたいかよくわからんかったし、
多分、彼も私がどうしたいかよく解らんかっただろうと思う。

明日は、玄関のホワイトボードに「お盆休みなので帰る」と書いて家を出よう。

ああ、観葉植物のお水やりも頼まなくちゃな。

で、その後わたしはどうするんやろうか? さっぱり、まとまらない。