/2/ビールの苦味

私が持つグラスに、後輩がなみなみとビールを注ぐ。
なにやらショックは唐突に襲ってきて、思わず「そんな歳か!」と叫んだ。
「そうですよ、そんな歳ですよォ~!」と、後輩はふざけて返した。

この子とは高校時代から先輩後輩の付き合い。
母親同士も中学校のバレー部で先輩後輩の関係だったと言うから、人の縁って不思議だなと思う。

後輩とは、高校時分もそれなりに仲良かったけど、サークルクラッシュで、一度は縁が途切れてしまっていた。
だからまさかまさか、同じ大学の同じサークルで再会するなんて考えもしなかったし、
ましてや今日のような日が来るなんて思ってもみなかった。
ほんま、びっくりするわ…。

”とりあえず乾杯”のビールだけど、私はビールは苦くて嫌い。
だからさっさと飲んで、梅酒が飲みたかった。
グラスに口をつける。すると、なんでかしらん、全然平気だった。
ビール、全然イヤじゃなかった。むしろおいしいかもしれない。
グラスを置いたら、後輩と自分の間に開いていた数年分の溝が、ようやっと埋まった気がした。

…そうだよなぁ、そんな歳だ。月日は十分に過ぎた。そしてこれからも過ぎていく。
高校時代のことは色々とトラウマになっていて、今でも思い出すたびに苦いけど、
それもいつか消えるはず。このビールの苦味みたいにきっと。

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