回転させられた時のこと

病院から帰って即行、「回された」と、あえて誤解を招く表現でおかんに訴える。
(その病院に行けと言ったのはおかんだったので)

母「そうそう、あの病院回されるんよな。あはははは、面白かったやろ。あれ副作用で身長伸びるんやってさ。成長期の男の子が13センチ伸びたって。あんたちっちゃいから身長伸びた方がええやろ。また行ってきぃよ」

私「(確信犯か!!!!)」

――翌日。 高校お弁当タイム。

錠剤を取り出し、コクリと服む私。

トーキン「どないしたん、風邪?」
私「ううん。脳みその薬…ちゃうかなぁ」
トーキン「えっ、意味わからん」
私「昨日病院でかくかく然々…」
トモちゃん「その病院やばいってー! そんな薬服んだらあかんわ!」
私「いやー一応医者の出した薬だし、大丈夫やとおもうんやけどなぁ」
トモちゃん「処方箋は?」
私「それがな、もらってへんの」
トモちゃん「絶対おかしいって!それ!(笑)」
トーキン「ちょっと、私今日家で調べてくるから、薬貸して!」

トーキン、薬の名前をメモり始める。

私「(そうだった。二人とも医療系志望やねんな…)」

――その晩。

母「電話やで」
私「はーい(夜11時まわってるんに、誰やろ…) …お電話代わりましたー」
トーキン「おぎちゃんあかんであの薬服んだら!!!」
私「うわ、どないしたんトーキン」
トーキン「薬調べたんやけどな、聞いてよ!? サアミオン、脳梗塞後遺症に伴う意欲低下。情緒障害の改善…」
私「あ、やっぱ脳みその薬やった? 脳みそしか見てくれへんかったからな、あのお医者さん」
トーキン「脳梗塞の薬服まされるなんておかしいって! それでその薬の副作用がな、読むで。1.下痢 2.倦怠感 3.食欲不振…」
私「あはははははは」
トーキン「おぎちゃん笑い事じゃないよ!!続き読むで! 4.ジンマシン 5.頭痛 6.立ちくらみ 7.ねむけ 8.便秘 9.耳鳴り 10.めまい… えっと、次の薬は…」

(聞くほどに何故投与されたのかわからなくなるような薬の説明が延々と続く)

私「…あはははははははは!」

とーきん「おぎちゃん!! ほんま笑いごとやないって! その医者絶対おかしいから! 薬服んだらあかんよ! 捨てな! 捨てな!」

(大爆笑のうちに電話終了。オカンに事の次第を伝える)

私「オーーカーーーーン!!!」

母「あはははは。ヤブ医者やからなぁ、あそこ。でもええ人生経験したなぁあんた」

私「そんな経験はいらん!!」