自己嫌悪

人を殴った。
こういうのって何年ぶりだろか。もう、気分が悪くて仕方ない。

例の遅刻魔の子、相変わらず音声学部にも演劇演習にも迷惑をかけてる。
卒業公演までもう時間がないのに、稽古に平気で遅れてくる。
もううちら卒業やで?来年は無いんよ。次なんか無いんよ。
そんななのに、学校で会った時、「友達と鍋したいからお鍋貸して」と言ってきた。
怒りをこらえて快諾。
その子が私の家に意気揚々とお鍋を借りに来たタイミングで、
ほっぺたを思い切りばちんと叩いた。
「自分、なんではつられた(ビンタされた)か分かる?」
「……うん」
「友だちと遊ぶのも大事や思う。鍋は貸すけど、明日からちゃんとして」
伝えること伝えて早々に閉め出した。

罪悪感が堪えられず演劇演習で「どうしよう」と小さくなっていたら
九鬼先生から
「いいんじゃない? あのこ迷惑かけてるのに自分で気付かないタイプだから
刺激を与えることで理解させるってのは有効だよ」と言われた。
他の皆も、「よくやったと思うよ」と言う。

だけど叩かれたあの子のまん丸な目、びっくりした顔が頭に残って離れない。

あーくそ、ホントもう、これで何か変われ。じゃないと報われない。

あーくそ、なんで私がこんな役引き受けなならんの。

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