いちご大福を生れてはじめて食す

後輩のミナミと軽く言い争いになりました。

うち「いちご!? いちご大福!? ふざけとるやん。
いちごなんて限られた時期しか出回らないし、水っぽいし、
大福に入れるのになんて向かないね!!」

ミナミ「そんなことないっすよ! うまいんすよ!? いちご大福!!」

うち「いちごいれるぐらいならバナナの方がええって。
一本で大福5つぐらい賄えそうやし、オールシーズンあるしな」

ミナミ「……先輩は、先輩はどうして大福の中のいちごの
深い悲しみを理解してくれないんすか!!
暗くて狭くて恐い大福の中でろくすっぽ外界の空気に触れることが出来ず
呼吸もままならぬ状態で餡子にさらされ眠る彼らは、僕ら人間に食われる時を、
孤独の中ただひたすら待つしかないんですよ!?
僕に言わせればバナナの方が邪道です!!」

うち「バナナやって、繊細で傷つきやすいんやで!
冷蔵庫に入れとくだけで茶色~くなっちゃうほど繊細なんやで!?
邪道だなんてそんな可哀想な事を言ったら全世界の傷ついたバナナが
寝込んでしまって市場に出回らなくなり、バナナの値段が上がっちゃうだろうがぁああ!!
果てはただでさえ株の下がっているこの日本においてバナナ会社の株は一向に下がり
バナナ会社自体が潰れて二度とバナナが食べられなくなっちゃうかもしんないんだぞ!!」

いい加減わけがわから無くなってきましたが、だいたいそんな感じのことを話しまして、
今日、後輩がわざわざ遠方のなんか岡山のおいしいお店の、木箱に入った
物々しいいちご大福を持って来てくれたんですよ。

パッケージに、

いちご大福
こんなに美味しいお菓子があるだろうか。
いちご、あん、餅と三つの味がいっぺんに味わえ、
それが口の中でミックスされたとき、「うまい」の一味、一言になる。
いちごと和菓子の甘さがやわらかく調和したすばらしいひとときである。

とかなんとか書いてありまして、そこはお前黙して語れや……

『私はこれでやせました』という体験談並を乗せてしまったがために
胡散臭くなったダイエッ トリングのような雰囲気が漂っとるやないか……

と、思ったんですが食べてみたら本当においしかったです。
ところでわたしバナナ大福なんて見たことない。ミナミ、ごめんなさい。