津島家日記

18:09
実家着。
和室に入ると赤いはんてんを着た母がコタツで寝ていた。テレビではDVD「ハウルの動く城」が再生されっぱなし。
大阪の私の家もずっとハウルの動く城を再生しているので「ここもか……」と、ひとりごちる。
血は争えない。……が、こんなことでそれを実感したくはなかった。

18:30
母、目を覚ます。ハウルDVDを見ながら海老天をかじっている私を起きざまに二度見。
母の第一声。「ワオ! おかえり!」
うち「うん。ただいま。なんなん? そのはんてん。うちはいつから江戸になったん?」
母「ただ今、津島家ではウォーム・ビズを実施中なんだ! これ凄く良いよ。めっちゃぬくいよ。布団を着てるみたいやよ。こんな素敵なものを考えた昔の人はなんて偉いんだろう! 輝もいる? 買ってきたろか?」
うち「いやあ。いいよ。いらない」
いらないと言ったのに母にはんてんを押しつけられる。仕方ないので5分ほど着ていたが、重いので脱いで母に返した。

18:42
弟が一階に降りてくる。青はんてんを着ている。
弟「猿群だ団ダンダダンダーン(挨拶)」
うち「猿群だ団ダンダダンダーン(挨拶)」
弟「猿群ダダーン(再会の喜び)」
うち「猿群ダダーン(再会の喜び)」
弟&うち「猿群だ団ダンダダンダーン!(共鳴)
うち「……で、何。お前も江戸か」
弟「うん。なんか、おかんに温かい服が欲しいって言ったらこれ買ってきた」
うち「漫画の受験生みたい」
弟「まあ、実際ワタシもうすぐ受験生だからね。とりあえず形から入ってみようかと」
形とかいいから勉強しろ。

23:00
津島家は年越し雪山旅行に行くらしい。
母「ハウルとボン(犬)も連れて行くんだー♪」
うち「ええ、マジで。どこ繋いどくん?」
母「滑ってる間は車の中でお留守番やな」
うち「ええー。ペットホテルに預けていった方がいいよー。可愛そうやん」
弟「やんなあ。やっぱ預けようよ」
母「そうやって言うけどなぁ、お前ら、ペットホテルに預けられる時の、ボン達のあの寂しそうな顔、知らんやろ!」
うち「車の中だって狭いし、そう変わらんやん?」
母「お母さんハウルと遊ぶもん」
うち「でもさぁ」
母「やだい! おいら、真っ黒なハウルが真っ白になるまでこうやってこうやって雪つけて、雪だるまにして転がして遊ぶんだもん!
(↑オカンが口走った言葉を忠実に記しました)
それが本音か。つうか、50前のおばちゃんの発言とは思えない。

23:30
私が風呂から上がると、オカンと弟、リビングで何やら話している。
母「ひとりにしないでよ!!
弟「やだよ! まともな格好しようよ!
うち「……何?」
弟「オカンがはんてん来たままDVD返しに行くって言って聞かんのよー。もー」
母「だってこれ着てればあったかいじゃん! 外寒いじゃん!!」
弟「でも恥ずかしいじゃない!」
母「二人で渡れば怖くないじゃん!」
うち「……そんな格好で行ったら、店員さん、今何時代なのか混乱しちゃうよ。脱いでいきなよ……」
母「チェッ!!」
しばらくもさもさした後、車を出す音が聞こえたが、結局着たまま行ったのか脱いでいったのかは知らない。

24:00
持って帰ってきた荷物を自室へ運ぶ。エアコンのリモコンを見たら室温が6度しかなかった。大阪の鉄筋コンクリのマンションと違い、木造住宅はやはり冷える。
エアコンを入れ、温まるまで一階に避難。

25:50
自室に戻る。部屋が全然温かくなってない。
エアコンを見たら冷房になっていた。
夏に帰省したときの設定のままだったらしい。
寒死しそうになりながら不貞寝。

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